4つの価値

校長コラム:2602013号|あなたの思いやりはホテルマンにぴったり

「困っている人を見ると、つい声をかけたくなる。」
「相手が緊張していると、自分も気になってしまう。」
「ありがとうって言われると、すごくうれしい。」

もしあなたにそんな“思いやり”があるなら、それはホテルマンにとって大きな才能です。
なぜならホテルの仕事は、人の時間を、安心と心地よさに変える仕事だからです。


1. ホテルは「困っている人」が必ずいる場所

ホテルには、いろんな人が来ます。

  • 旅行で初めての土地に来て、道に迷っている人

  • 大事な試験や面接の前で、緊張している人

  • 小さな子ども連れで、荷物が多くて大変な人

  • 海外から来て、日本語がうまく通じず不安な人

  • 記念日を成功させたくて、内心ドキドキしている人

見た目は普通でも、心の中に「少しの不安」を持っている人がいます。
その不安にいち早く気づいて、そっと支えられる人。
それがホテルマンです。


2. 思いやりは「気づく力」から始まる

思いやりは、やさしい言葉だけではありません。
ホテルで一番役立つ思いやりは、**“気づけること”**です。

  • お客様がフロントの前で立ち止まっている

  • 周りをキョロキョロしている

  • 声が小さくて聞き取りづらい

  • 表情が硬い、疲れている

  • 家族の中で1人だけ困っている

こういう小さなサインを見逃さずに、
「何かお困りですか?」と自然に声をかけられる。
それだけで、お客様の気持ちはスッと楽になります。


3. ホテルの“いいサービス”は、目立たない

映画みたいな派手なサービスだけが「ホテルらしさ」ではありません。
むしろ本当に価値があるのは、目立たない思いやりです。

たとえば——

  • 迷っているお客様に、地図より先に“目的地までの行き方”を短く伝える

  • 小さな子どもが眠そうなら、手続きを簡単にして早く部屋へ案内する

  • 荷物が多い人には、言われる前にカートを持ってくる

  • 雨の日に、入口でタオルをさっと差し出す

「え、そこまで気づくの?」
その一瞬が、ホテルの印象を決めます。


4. 思いやりは「言い方」で強くなる

思いやりがあっても、言い方次第で伝わり方は変わります。
ホテルマンは、思いやりを“伝わる形”にするのが上手です。

たとえば同じことでも——

×「それはできません」
○「申し訳ありません。別の方法をご提案してもよろしいですか?」

×「ここに書いてあります」
○「分かりづらかったですよね。こちらです」

相手の気持ちを守る言葉を選べることも、立派な思いやりです。


5. 思いやりがある人は、チームでも信頼される

ホテルは一人でできる仕事ではありません。
フロント、客室、料飲、調理、清掃、予約——
みんなが連携して、お客様の一日を作っています。

思いやりのある人は、チームでも強いです。

  • 忙しい人を見て、さっと手伝える

  • 相手が困らないように情報を共有できる

  • ミスを責めるより、次にどうするかを考えられる

こういう人がいると、職場の空気がよくなります。
そして空気がよくなると、サービスの質も上がります。


6. 今日からできる「思いやり」の練習

もしホテルに少しでも興味があるなら、今日からこれを意識してみてください。

  • 学校や駅で「困っている人」を一人見つけてみる(声をかけなくてもOK)

  • 家族や友達に「先回りの手助け」を1回してみる

  • 相手の話を、途中でさえぎらず最後まで聞く

  • 「ありがとう」を言われた場面をメモしてみる

思いやりは、生まれつきだけじゃなく、磨けます。


おわりに

ホテルマンに必要なのは、完璧さではありません。
「目の前の人を大事にしたい」という気持ちです。

あなたの思いやりは、
誰かの旅を安心に変え、
誰かの記念日を成功に変え、
誰かの緊張をほぐす力になります。

加藤雄一
加藤雄一
仙台YMCA国際ホテル専門学校校長。 いつも学生に親身にアドバイスをくれる校長先生。決して否定せず、学生に寄り添って考えてくれます。就職の相談にも乗ってくれます。

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